昨夜、世界文化遺産に関連する会議で、日経新聞の役員、酒井綱一郎氏の講演会が富士宮市にて開催され、地域おこしや社会問題の解決に、ビジネスのアプローチでスキーム、仕組みをつくって解決してみては、ということで、東北支援の事例として雄勝の取り組みが紹介された。
クラウドファンディングが活用され、成果がでてきているという。
石巻市 学校再生プロジェクト
http://shootingstar.jp/projects/434
オーガッツ (漁師の会社)
富士宮でも、様々なNPO活動やボランティア活動の取り組みが活発だが、資金面、スキーム面で苦労している面が多い。その解決の為に、近年では「ファンドレイジング」を行うファンドレイザーなども登場し、エージェントもかなり増えてきた。
非常に良い試みなのだが、一つだけ懸念するのは、クラウドファンディングの運営会社の手数料ビジネスが優先され、資金調達をしたい、または調達ができた各団体、プロジェクトが彼らのビジネスの手段の1つにされないか、というところだ。
2000年前後に個人事業者の創業を支援するSOHO(ソーホー)ブームもあったが、謎の○○SOHO協会的なものが乱立され、有効性が疑われるような助成金やら施策が何やらうごめいたり、SOHOを安く使い倒すような変なスキームの団体や企業もまざって、なんだかわからないうちにブームは終焉した。結局利権にならなかったからなのかどうかは定かではないが、クラウドファンディング、ファンドレイジングなども、一過性のブーム、資金調達狂騒曲で終わらないことを切に願う。
とはいえ、情報発信がしやすい時代となり、被災地や、名前も知られないような片田舎でも、明確なコンセプト、ビジョンの元に想いを伝えていくことで、多くの支援を取り付けることができる事は事実だ。
大事なのは、資金を得ることではなく、ビジョン、向かうべき先をちゃんと見据えて活動すること。資金調達スキームや助成金に頼り切るのではなく、きちんと自立した運営、経営を行うマインドと行動が重要なのだ。