それでも人生ってまだまだ楽しく面白い。

Facebookや仕事つながりのYoさんの紹介を見て即買いした一冊。
佐久間正英氏の入魂の一冊。

学生時代音楽をやっていたこともあって、あの当時読みたかった!と思うような本です。
プロとアマの違いとか、バンド練習のポイントとか、機材の手入れとか、色んな視点でのアドバイスがありがたい。

メジャーデビューしたからうまい、というわけでもないとか、プロデビューしても、たったひとつのミスで職を失うこともあるとか、現実の厳しさも。

でも、何よりは「ハイテクニックに走らない」「不器用なバンドの方が課題がわかりやすく、成長しやすい」などなど、 事実は奇なり、と思う、でもリアルなエピソードや示唆が色々。

「能動的に行動しないと情報は得られない」といったアドバイスは、音楽のみならず、仕事でも生活でも、すべてに言えると思う。

奇しくも、この本が発売された今年6月のすぐあと、8月に末期のスキルス胃がんであることを告白し、その後大きな手術をしてなんとか今回は永らえた。ブログより引用。

in between last days
By masahide sakuma on October 27, 2013 9:09 PM | Permalink
身体はだんだん不具合が増えてきて、相変わらずの痛みで夜はまともに寝られず。昨夜もその前もここのところ睡眠は多分2~3時間程度。足はヒドく浮腫みただの歩行すらだんだん重労働へと変わって行く。身体にハンディキャップがあることの大変さ、世の中が思っていた以上にバリアフリーとは縁遠いことなど、今まで考えたこともなかった様々なことに気づく。
(中略)

昼間テラスで犬達と日向ぼっこをしながら、或いはさっき真っ暗な夜道を一人でフラフラ歩きながら実感するのは悲惨とは真逆の充実した幸せな人生だった。
家族や大切な人たちや犬達に囲まれ(いや、実際には強がりではなく、一人ぼっちでアパートの一間にじっとしていたとしても感じるであろう…)目先の仕事や些事にあくせくするでもなく、今まであまり経験できなかった緩やかな時間と空気の流れを感じながら過ごすひと時の些細な幸せ。恥ずかしがらずに言葉にするなら、この瞬間生きていることへの悦びを噛みしめられているのかも知れない。

プロデューサーとしての仕事はそろそろ終わりかも知れない。ライブを出来る機会はいつになるか、もう無いのか。会いたい人たちにも会う時間が来る保証などどこにも無い。
やりたいこと、やり残したことも山積みになってしまうに違いない。

それでも人生ってまだまだ楽しく面白い。

 より引用

なんとか元気になって欲しいとか、症状も状況も知らずに無責任なことは言えない。終わりの日が突然くるかもしれない。だが「恥ずかしがらずに言葉にするなら、この瞬間生きていることへの悦びを噛みしめられているのかも知れない。」というように、佐久間さんの人生は、命は、何をしていても、いつだって輝いている。

この本は、40年の音楽生活の経験、知識、全身全霊でアウトプットしたものなのではないかと感じられる。それほど、淡々と綴られる一言一言が、ズシンと大きく、なんの脚色もせず、ダイレクトに伝わってくる。音楽関係者であってもなくても、おすすめしたい。

この一冊に出会えたことに感謝。