地域活性化に悩んでいた岩手県紫波町(しわちょう)は、バレーボールに特化した体育館「オガールアリーナ」を作った。国際基準にも適合し、観客席を廃してフォームチェックのカメラなども整備された、「練習」専用の体育館である。あえて目的に特化した体育館にしたことで、全国各地から練習合宿に利用されている。
宿泊施設の併設など整備は万全である。「プロ中のプロに利用される水準」のものを整備することで、従来になかった集客を図ることができた紫波町。
島根県海士町(あまちょう)は隠岐諸島にある島々の一つ「中ノ島」の自治体。どの離島の例に漏れず、同町も人口減少の一途で唯一の隠岐島前高校も統廃合の危機に。2007年から同高校の魅力化の活動に取り組み始め、島前以外からの入学生の寮費無償化や公立学習塾の設立、島留学制度の整備など、積極的な施策を打ち出し、2016頃にはほぼ2倍の人数に復活したのである。海士町は他にも「島まるごと図書館構想」などもうちだし、異なる施設を活用して分館を整備していった。
まちおこしは、単に、商業や観光だけではないのである。また、圧倒的に何かが不足しているネガティブ要素を逆にとらえて活用することも非常に重要なポイントである。